02すそを引っ張る



「ふう…」


一息ついたのは俺のマスターであるウッドロウだ。
政務にきりがついたのだろう。
朝から謁見、見回りなど忙しかったからな。
時間帯は既に夜。つまり一日中仕事詰めだったということだ。


『終わったようだな』
「ああ。何とかな。朝までかかってしまうかと思ったよ」


笑ってはいるが、かなり疲れているのだろう。
目の下にはうっすらとクマができている。


『もう休め。きりがついたのだろう?』
「そうだな。…あ、確か倉庫に処分の困る物があると言っていたな」


見てから休むよ。と続ける。
まったくどうしてこの若き王はまとめてやろうとするのだろう。


『見るのは明日でもできるだろう』
「それはそうなんだが」


早く処分するかしないか言わなければ、仕事に支障が出るのではないか。というのがウッドロウの考えらしい。
お前が倒れた方が一大事だ。
何度も言っているのに、なかなか聞かない。
仕方がないので実力行使といくか。
まずは人形になる。
ソーディアン研究所で強化したさい追加されたオプションだ。


「どうしたんだ、イクティノス?急に人形になって…っ!」


人形になった俺の元へ行こうと立ち上がろうとしたウッドロウだが、不意にバランスを崩しふらつく。
何とか床にぶつかる前に支えることができたが、俺は溜め息しかでなかった。


「自分で立てなくなるまでするな」
「はは…こんなに疲れてたのか…」


笑うが力の抜けた笑いだ。
俺はまた溜め息一つしてウッドロウを抱き上げた。
ウッドロウは驚くものの、特に抵抗しない。
抵抗する気力もないのだろう。
もっと早めに実力行使にでるべきだったなと自己嫌悪しつつ、ベッドへと寝かせる。


「ゆっくり休むんだぞ」
「…わかったよ」


ウッドロウの額におやすみのキスをして、剣に戻ろうと離れようとすると服を引っ張られる感覚。
振り返ればウッドロウがすそを掴んでいた。
屈み視線を合わせ、手をそっと握る。


「どうした?」


と聞けば、少し視線を泳がせた後小さな声で言った。


「……一緒に…寝てくれないか…?」


珍しい物言いに目を見張る。
ウッドロウは続けた。


「イクティノスと一緒の方が…疲れが取れる気がするんだ」


なんて可愛いことを言うのか、この王は。


「我が儘な王様だ」


そう言ってベッドへと潜り込む。
追加された重みにベッドが音を立てる。
我が儘な王は一言すまないと呟いた。
しかし俺としては……


「そのくらいがちょうどいい」


俺がウッドロウ引き寄せ抱きしめると、嬉しそうにすり寄ってきた。
背中をぽんぽんと子供をあやすように叩いてやると、小さな寝息が聞こえてきた。
どうやら眠ったようだ。


「おやすみウッドロウ」


もう一度額にキスをして俺も瞼を下ろした。


腕の中で眠る愛しい存在。
命有る限り傍に居続けよう。

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う〜ん、やっぱりお題に沿えてるか不安…
うちのウッドロウはなんか精神年齢低いですか?