工場内を進んでいく。廃棄されて間もないようだが、稼動している。
更に奥へと進んでいくと、今までの薄汚いような部屋ではなく、綺麗な部屋に出た。
どうやらここから先は今でも使っているらしい。
「パスワードか。さっきの色付きの画面のことだな。赤、青……」
「あ、開きましたよ坊ちゃん!さっすがですね!!」
「……!あれは!!」
パスワードを入力し扉を開けた先にヒューゴ達がいた。
ウッドロウを運ぶよう指示されたバルックは困惑した顔をしている。
「ヒューゴ様先ほどウッドロウ陛下が自害を図りました」
「自害だと!」
ウッドロウが目を覚まし、自害を謀ったという。今は眠っているらしい。
「大丈夫だ、リオン。すぐ発見したから応急処置で間に合った」
「バルック、お前は陛下を看ていろ」
「わかりました」
「リオン。お前はつくづく面倒なやつだ…」
「それはこっちのセリフ……」
言い合っていると再びバルックの声。慌てている様子がわかる。
「待て!!そっちへ行ってはいけない!!」
「バルックどうし…!」
扉に目をやれば、そこに立っていたのは、
「ウッドロウ!?お前、目を覚まして…」
ウッドロウだった。しかし次の言葉で絶句してしまうことになる。
「道化のウッドロウとは私のことだ!!」
「は?」
「………どういうことだ?」
僕とヒューゴが目を点にしているとバルックが説明を始めた。
「それが、部屋に戻って看ていたところ、傷のせいで汗をかいていたので拭こうとしたら、
ウッドロウ陛下が急に起き上がり、私と頭が思い切りぶつかったのです」
「それで?」
「またベッドへ倒れたのですが、かっと目が開いて、ソーディアンを振り回しながらこちらへ歩いて行ったんです」
「♪おお〜飛行竜〜みんなの〜飛行竜〜飛行竜は〜すご〜い〜」
「歌っているが…」
「…飛行竜の歌でしょうか…」
「…もういい。お前は戻れ」
「は、はい。わかりました」
頭をぶつけてネジが飛んだのか……?飛行竜の歌とか、そのままじゃないか………
「は!私はいったい…?」
「ウッドロウ!」
「え?…リオン!よかった、無事だったんだ…!」
「私にも気付いて欲しいのですがね、陛下」
我に返ったウッドロウがこちらに気付き走り寄ってきたが、後ろから捕らえられてしまう。
「ヒューゴ!貴様また!!」
「はなせ!」
「残念ですが、その願いは聞きいれることはできません。ソーディアンを捨てなさい」
「断る!」
「仕方がありませんな」
「っぐ、ぁ」
手首を捻られイクティノスを落としてしまう。
「手荒なまねはよせ!」
「私もそうしたいのだが、何分言う事を聞いてもらえないのでな。そういえば、先ほど自害を図られたとか。この首の包帯ですかな?」
捻った腕はそのままにヒューゴはウッドロウの首に巻かれた包帯を撫ぜる。
「ああ、そうだ。切る直前に邪魔が来たせいで、深くは切れなかったが」
「なぜそんなことを…」
「君の足枷にはなりたくなかったんだ…」
僕の所為で傷つけてしまった……
悔やんでいると、突然、演説でもするかのように声量が大きくなる。
「美しい!愛とはかくも美しい物なのか!しかし!美しい物は壊したくなるもの。誰も踏み入れてない雪原を踏み荒らすようにな!!」
ヒューゴの目が変わる。捕食者の目。標的は
「…!まさか貴様!やめろ!!」
「リオンよ。お前の目の前で、お前の愛する者を、私が、壊してやろう」
「やめ…!」
私、という部分を強調させ、インナーを捲くり、手を差し入れる。
「あっ、い、やだ!は、なせぇ!」
「やめろ…!」
後ろから捕らえた状態で、顎を掴み、無理矢理顔を向かせた体勢で口付ける。
「!んん!!」
「やめろーーー!!!!」
「はははははははは!!!!」
その後のことは無我夢中で覚えていない。しかし、体に重い衝撃を受け、意識を手放したのは確かだった。
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