夕飯までには戻ると皆に伝え、街をぶらつきに行った。

広場で歌ったり、市場に行っておばちゃんと話したり、近所に住んでいるのだろう、子供たちと遊んでたりしたらすっかり日が暮れて。

帰ろうと思った矢先の夕立。



『アンラッキーのちハッピー』



「ついてねぇな〜……」



宿屋に向って走って帰る途中。一人ぼやいていた。

軒先で雨宿りする人、同じように雨の中走る人、新しい傘をさせて喜んでる子供。

なかでも、同じように走る人が多かった。

やられたな〜、なんてすれ違いざまに話しかけると、ほんとまいったよ、なんて気さくに返してくれる。

温かい心を持つ人々。これも、国を治める人物の偉大さか。と胸中に思い浮かぶは銀髪の若き王。



「早く宿に戻って暖まりたいね……」



宿に戻ったら、シャワー浴びて、着替えて、思い浮かんだ王様を抱きしめて暖まろう。と今後の行動を決定したのだった。



「っはあ、っは……やっと、着いたぁ……」



全速力で走って来たため、息も上がっている。

この状態で階段を上がるのは辛い…

だが部屋にいるだろう、銀髪の持ち主に会うため駆け上がる。



「……ただいまぁ、ってか」



今日が相部屋でよかった、なんて思う。

お風呂にする?ご飯にする?それとも…わ・た・し?的なものを期待したいが、真面目な王様はきっとこんなやりとり知らないだろう。

先にお風呂の方がさっぱりしますよ?なんて提案でストップだ。

しかも、会いたかった人は見当たらない。



「……ま、風呂にしますかね」



暖かく出迎えられることすらなく、一抹の寂しさを抱えたまま着替えを探す。

広い浴場へ行こうと思ったが、濡れ鼠のまま歩き回るのも気が引けたので部屋に備え付けの風呂に入ることにした。



「ん?」



着替えを持って風呂への戸を開けると聞こえてくるのはシャワーの音。

入っているのは当然会いたかった人。このチャンスを逃す手はない。



「おーい、ウッドロウ!」



少し大きめな声で呼ぶとシャワーの音が止まる。



「はい?何ですか?」

「一緒に入ってもいいか?」

「二人では狭いですよ。今出ますから」



今出られたら困る。一緒に入りたいから狭いのを承知で言っているのに。



「いいっていいって。十分暖まってから出ろよ」



あ、そうだ!ジョニーは気付いた。



「今凄く寒くてな。身体が冷え切っちまって、すぐ入りたいんだ。ダメか?」



優しい王様は困っている人を見捨てることはできないのだと。

だから寒いと言えば、断らないはず。

返ってきた返事は、



「…わかりました。どうぞ、入ってください」



了承の返事。してやったりと、嬉々として服を脱いでいく。

戸を開ければ、ウッドロウは場所を空けるように立ち上がってバスタブへ。

湯がたっぷりと張ってあり、とても温かそうだ。



「悪いな、急に降ってくるもんだからさ」



頭を洗いつつ話し始める。



「そういえば降ってましたね、ドシャ降りでしたけど大丈夫ですか?」

「自慢の帽子がぐったりしちまったぜ」



そんな他愛もない話をしながら、身体も洗い終え、湯船へ入ろうとすると。



「おいおい、もう出ちまうのか?」

「ジョニーさんがゆっくり浸かれないですから」



譲ろうと出て行こうとする。

これでは先ほど引き止めた意味がなくなってしまう。



「いいからいいから!広々と入らなきゃ疲れが取れないなんてことないから」

「しかし……」



なおも渋るウッドロウの肩を湯船に押し戻す。

とは言いつつも、さすがに向かい合っては入れない。

頭をひねる…思いついた!と豆電球



「ちょっといいか?」

「ええ」



とりあえずウッドロウには立ってもらい、湯船の中へ。

座り、足をバスタブの幅だけ開いて、軽く体操座り。

それからウッドロウを呼ぶ。



「ここ座れ」

「え?!」



こことは、開いた足の間。

抵抗があるのか座ろうとしないウッドロウの肩を押さえて浸からせる。



「ほら」

「っわ!」



尻餅をついたような入り方だったが、お湯があるため痛みはない。



「危ないじゃないですか!」



急だったので驚いているようだ。

まあ、無理もないか



「まあまあ、二人で入れたんだからいいじゃないか。あー、温けぇ」



お湯で温かいし、何よりウッドロウという人肌があり更に温かい。

逃げないように腰に腕を回しているため触れる部分が多くより温かさを感じる。

ウッドロウも諦めたのか今はおとなしい。



「んー。すべすべだな」



おとなしくしているウッドロウの腕をさする。



「な、なに触ってるんですか!」

「裸の付き合いってやつだ。そう言いなさんな」



反応がいいので他にも触ってみることにしたジョニーは、肩、腹、腰、腿と撫で回す。



「…っ、ぁ……」



ウッドロウから零れた吐息でふと我に返り手を止める。

この後は夕食の時間だ。ウッドロウがいないとなると心配して見に来る者が二人。

見せ付けてやりたいと思う反面、誰にも見せたくないとも思う。

……よし、止めとこう。悩んだ末の結論。



「悪い、ウッドロウ…悪戯が過ぎたみたいだな」

「…い、え。止めてくれましたし、ね」



腕を腰に戻し、少しの間そのままでいるとウッドロウが口を開いた。



「何故……」

「ん?何だ?」

「何故、大浴場の方にいかなかったんですか?そちらのほうが広いのに」

「はじめは行こうと思ったんだけどな、最初にウッドロウに会いたかったのさ」



そう言うと、ウッドロウはジョニーに凭れ掛かった。

ウッドロウから香るのはシャンプーか、はたまたウッドロウ自身のものなのか。



「そうでしたか」



返ってきたのは一言、しかしとても嬉しそうで。



「なあ、ウッドロウ」

「なんですか、ジョニーさん」

「続きは、食後な」

「………はい」



この後、食事へ向った二人が、マリーとコングマンからの酒場に行かないかという誘いを断り、

食後すぐに部屋の電気が消えるのをスタンに目撃されるまで、あと一時間。




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ジョニウドです。なかったので書いてみました。
好きですよ、ジョニウド!多分一番最初にTODで好きになったカプだと思います。
ただその後、リオウドがドツボにはまってしまったというだけです。
お風呂話でした〜。最初なんか友達みたいな感じですね。あまりラブくなかった……?
タオルは二人とも巻いてます。親しき仲にもって言いますしね!
巻いてなかったら、ジョニーは止まらなさそうだ…!
一時間も飯食ってるのかよ!みたいなね(笑
騒いで食べるだろうから時間がかかるんですよ、きっと