これは『おかえり』の続きです、一応



『夜』



「こうして話すのも随分と久しぶりだね」
ウッドロウの寝室
「ああ、四年ぶり…だからな」
そこで二人は話していた
「君がいなくなった後、とても大変だったんだよ…」
スタンはリオンの敵を討つと言って無茶をした
飛行竜は墜落、使えなくなってしまった
「あのときはほんと、どうなるかと思ったよ」
「頭に血が上ると周りが見えなくなるタイプだからな」
と他愛もないことを話していた

「ミクトランはしっかりと仕留めたのか?」
ウッドロウは頷き
「まだまだ倒したりないくらいだけどね」
苦笑しながら言う
「怖いやつだな、お前は」
「あいつだけは許せないな。リオンを利用した…」
ウッドロウの手に力が入る
それを見たリオンはそっと引き寄せる
「この世にいないやつを恨んだってしょうがない」
「しかし…」
「僕は優しいウッドロウが好きなんだがな」
「…………」
「僕はこうして今この場にいる。それではだめか?」
「そんなこと、ない」
リオンにしがみつく
「ミクトランのことは、忘れる」
「それでいい」
小さい子を宥めるように背中をポンポンと叩く
「子供扱いはよしてくれ」
ムッとするが
「甘えん坊みたいなことをしてるじゃないか」
とまたしても背中を叩かれる

しばらくリオンを睨んでいたがあることに気づいた
「リオン、背が伸びたかい?」
「今頃か……」
どうやら早く言って欲しかったようだ
「今いくつなんだい?」
「182だ」
驚きの成長ぶりだ
「182!?私より1cm高いじゃないか!!」
驚きと少しの悔しさを顔に浮かべている
「まあ、1cmだからそう変わらないんだが…」
「でもまさかこんなに大きくなるなんて…」
「ふ、驚いたか?」
「とても。それに…」
「それに?」
「無駄なく筋肉がついてる」
リオンの腕を触りながら言う
「四年間各地を回ってたからな。それでだろ」
「私なんか何十年も山で修行してたのに…」
「つきにくい体質なんじゃないか?」
「そうかもしれないな」
けど、やっぱり悔しいな…なんて呟いている
「ウッドロウは前より細くなってないか?」
「!」
ぎくり
そんな音が聞こえた気がした
「お前まさか…!」
「ち、ちゃんと食べてるぞ!朝昼夜の三食」
「じゃあどうしてだ!お前のことだ修行は毎日やってるんだろ」
「えーと、…最近食欲がなくて…」
「減らしたのか?」
「…半分くらいに」
はあ。と溜息
「元から食が細いのに、半分にするなんて。お前と言うやつは…
 それでは筋肉がつくどころか、落ちる一方だぞ」
「…でも、もう大丈夫だよ」
「?」
方眉を吊り上げると
「リオンがいるからね」
照れながら、しかし嬉しそうに言う
それを聞いて、照れてぽりぽりと顔をかくリオンがいた

夜も深まり兵士の巡回の足音しかしなくなった頃
「シャルティエ君はどうしたんだい?」
ウッドロウは訊ねた
どう伝えようか考えていたようだが割とすぐに返ってきた
「シャルは…皆の、他のソーディアンたちの元へ行った…」
暗く翳った瞳を見て
「そうか…」
と言った。シャルティエがどうなったかおおよその見当がついたからだ
「きっと今頃、イクティノスたちと騒いでいるよ」
「…そうだな。そうだと…いいな」
「うん」
窓の外の星空を見上げた

「もう寝ようか。明日は早い」
「王族は忙しいからな」
「そうじゃないよ」
わからずリオンが疑問符を浮かべていると
「皆に会いに行こう」
それは突拍子もないことで
「国を空けるのか?!しかも明日?!!」
驚くのは無理もない
「一週間ぐらいならダーゼンがなんとかやってくれるさ」
普通に言う
「お前というやつは…」
本日二回目の台詞
「人使いの荒いやつだ…」
呆れて言えば
「信頼してるんだ」
微笑みながら、しかし心から信頼している証拠だ
一国を任せてしまうほどに
その信頼に嫉妬心が湧く
信頼に嫉妬するなんて自分はまだまだ子供だなと思う

ベッドへ向かうウッドロウの背後へ近づく
「ウッドロウ」
「何だい?リオ……!」
振り向いたウッドロウの顎と腰を捉え
逃げないよう顎を掴み細い腰を引き寄せる
喋りかけの開いた唇から舌を差しこみ
歯列をなぞり舌を絡め角度を変え何度も口付ける
「ふ……ぅ………んぅ……」
十分堪能した後唇を離せば月の光に照らされた銀色の糸が引く
息が上がっていて瞳は潤み、頬は上気している
腰が砕けたようでリオンが支えていなければ尻餅をついてしまっていただろう
「………ばか」
「そんな顔で言われても全然怖くないぞ」
「〜〜〜〜〜〜っ!」
さらに顔を赤くしたウッドロウはリオンから離れようとするが
腰をがっちりと掴まれ動けない
「離せ!私はもう寝る!!」
「こら、暴れるな!」
ムキになりなんとかして離れようと暴れていると
「うわ?!」
ウッドロウの足がベッドに引っかかり倒れこんでしまう
リオンがウッドロウを押し倒す形で
「どこもぶつけてないか?」
「ああ…びっくりした…」
「それはこちらの台詞だ。しかしいい感じだな」
「何が……!」
見下ろしながら言われ状況を理解する
「リ、リオン明日は早いから今日はもう…」
「断る」
すっぱりと言われ言葉をなくしてしまう
もうどうにでもなれ
と諦め抵抗をやめる
「どうした、もう抵抗は終わりか?」
顔を覗き込まれる
「これから疲れるっていうのに、余計に疲れたくないからね」
リオンは意地悪く笑うと
「賢明な判断だ」
そしてまた深く口付ける
今度はそれに答えるようにリオンの背中に手を回す
唇を離し額を付け
「愛してる、ウッドロウ」
「私も。愛してる」
愛を囁く

夜はまだこれから


二人の時は体朽ち果てるまで



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つ、疲れた…今まで書いてきた中で一番時間かかりました(汗
最後の朽ち果てるまでってのは本編のイクティノスが直ったときのです←
ウッドロウはリオンとするの嫌がってますけど嫌なわけじゃないんです
ただ、明日出発できなくなるかもしれないと心配してるだけですのでご安心を
ウッドロウかなり甘えん坊さんになっております…!