あの日からもう4年が経った
生きていれば君は20歳、大人になっただろう
君に言えば『僕はもう大人だ!』と怒られてしまうかもしれないけど
私の中ではまだ君は、16歳のまま…
『おかえり』
「陛下大変です!
スノーフリアとティルソの森にモンスターが現れました!」
突然の知らせだった。
「何だと!今年は例年より寒さが厳しくあまり食物が出来なかったからな。
森で食べ物に困ったモンスターが出てきたのか…
ダーゼン、すぐに動ける隊はいくつある?」
「は、第1番隊から4番隊までです。5番隊以下はカルバレイスへ遠征訓練に行っております。
1番隊の一部も共に遠征へ行っておりますので、60名ほどしかおりませぬ」
「そうか…では残っている1番隊は私と共に森へ。2番隊は森を迂回しスノーフリアに。
3番隊は街へ残り警護を、4番隊は補給物資を持って2番隊と共にスノーフリアに向かうように」
「は!わかりました!」
「揃い次第出発する、用意急げ!」
「は!」
ほどなくしてハイデルベルグ城門前に兵が集まり出発した。
モンスターが街に現れる。
まるでグレバムが神の眼を使いモンスターを操っているようだ。
しかしもうグレバムはいない。神の眼も。
そうこう考えているうちに森へ着いた。
すると木の陰からウサギのようなモンスターが一匹飛び出した。
それを難なく切り捨てると命令を下す。
「4人1組のチームをつくり、森の中に民間人がいないか捜索するように。
モンスターに遭遇した場合は出来るだけ一撃でしとめるように」
「しかし陛下お一人では危険です」
「私は大丈夫だ。皆も怪我をしないように」
「…わかりました!」
それぞれがチームを作り森へ入っていく。
「行くか」
一人ごち森へ入っていく。
襲い掛かるモンスターを切り捨て、打ち捨てていく。
気がつけば森の出口に近づいていた。
「もうこんな所まで来てしまったのか…」
心の中になにかもやもやした物があることに気づいていた。
今日が彼と別れてしまったあの日から4年が経っていると気づいたときから。
(なんなんだ…?)
なぜこんなにも心が落ち着かないのか、わからなかった。
考え込んでいると大きな熊のようなモンスターが襲ってきた。
反応が遅れた
(間に合わない!)
咄嗟に頭を庇うように腕を交差し目を閉じ衝撃に備える。
その時横を何かが走り抜けたが気にしている暇はない。
しかし来る予定の衝撃は来ない。
目を開けるとそこにはモンスターの死骸があり、
黒い剣士が立っていた。
「君は…?」
問いかけるが
「………」
返事はない。 剣士が動きを見せたと思うとまたモンスターが現れた。
「雑魚が…」
剣士が呟くと同時に飛び出し、切り捨てる。
その鮮やかな手際に見惚れていると、
「ぼやぼやするな!」
剣士に叫ばれ振り向きざまに薙ぐ。
この感覚…覚えがある…
一人が斬り込むのにあわせ援護する。
懐かしくも鮮明に思い出せる感覚。
そうか、君は
一際大きいモンスターが現れる。
が、二人によって反撃するまもなく倒されてしまった。
「ふう…これで終わりのようだね」
「………」
剣士は無言。構わずに続ける。
「助けてくれてありがとう。本当に助かったよ。
私一人では倒せなかった、本当にありがとう」
「……ふん」
礼を述べると、剣士はこの場から去ろうとしたが
「待ってくれ!」
「………」
引き止める。
「君…なんだろう?」
「…なんのことだ?」
「4年前のあの日、洞窟で…埋まってしまったと思っていた」
「………」
「…あの日以降、工場を何度も見に行った。
もしかしたら君がいるかもなんて思いながら…」
「………」
「…ずっと、会えなくて、寂しくて…夜に城を抜け出して、
工場に行くたびに、君はいないんだと思い知らされて…
追いかけて来たダーゼンに医者へ連れて行かれたりもした」
「!」
「でも、今日胸騒ぎがして、森へ来たら君がいた…」
「…僕は…」
「リオンなんだろう?
戦ってるときに確信した。あの頃と変わらない」
「………」
「教えてくれればよかったのに」
「…僕にはやることがあった…」
「それなら、私も協力したのに」
「お前は国王だ。あまり玉座は空けておくものではない」
「そんなの関係ないよ。あの時君が助けてくれたように、ね」
「そうか…」
「その、やることは終わったのかい?」
「ああ」
「じゃあ、ハイデルベルグへ来ないか?」
「…いいのか?」
「もちろん。皆喜ぶ」
「…じゃあ、頼む」
「あ、大切なことを言い忘れていた」
「何だ?」
「お帰り、リオン」
「ただいま、ウッドロウ」
その後、スノーフリアの安全も確保したとの報告も入り、
森へ来た、一人と六十名の兵士、それに一人の剣士を加えて城へ戻っていった。
城では二人仲良く並んで歩く光景を何度も見られるようになったとか。
あの日からもう4年が経った
君は今、20歳
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なんじゃこら?
ただ4年後リオンが20歳になって帰ってきて欲しかっただけのもの