『俺が』



「もう休んだらどうだ?」
そう言って部屋に入ってきたのはイクティノスだった。
「書簡がまだ残ってるんだ。今日中に見てしまわないと」
返事を返しつつも政務をこなすウッドロウ。
国王が政務を怠るなど許されないのはわかっているのだが、
(このままではいつか倒れるぞ…)
と心配しているイクティノス。
しかし本人は他者、ことさらに仲間や国民のためなら自分の身など顧みない。
真面目な性分が余計に割り増ししている。

「ウッドロウ。仕事をするのも大事だが、お前も大事なのだぞ」
「ありがとうイクティノス。だがまだ残ってるし、途中放棄はできない」
「お前は根詰めすぎなんだ。少しは休息をとれ」
「しかし…」
まだ続けようとするウッドロウに
「しかしもかかしもない!
 確かに政務を放棄はできない。放棄してはいけないものだ」
何とか休ませようと必死なイクティノスは言う。
「だがな、お前の身になにかあってみろ。
 国中が大騒ぎで、国民達もお前のことが心配で眠れなくなるかもしれないぞ!」
「う…」
多少おおげさだが効果があったようだ。
言葉をなかなか見つけられないウッドロウ。
「ほらどうした?そんな大騒ぎになってもいいというなら続けるといい」
「………」
しばらく黙っていたが、ようやく口を開く。
「…わかった。イクティノスの言うとおり休もう」
「やっと休む気になったか…」
「ただし」
「ただし?」
休んでくれると思ってほっとしたのも束の間だった。
「あとこれだけ見させてくれ」
と3枚ほどの書簡を見せた。
まったく困ったものだと思いつつも、
じゃああとそれだけだと許す。
「ちゃんと休むのを見届けるまでいるからな」
「わかったよ」
ペンの走る音だけが響いていた。


「ふう…」
「どうやら終わったみたいだな」
「ああ」
ん〜と伸びをしているウッドロウ。
ふと視線に気付く。
「なんだ?」
「早く休まないかな〜と」
「…ぷっ」
どこか子供っぽい言い方がおかしくて笑ってしまう。
「な、何がおかしい?!」
「いや何でもないよ」
と言いつつもまだ笑っている。
「この………!」
イクティノスが悪戯を思いついたように笑った。
するとイクティノスはウッドロウの後ろに回り、
「?…ぅわっ!?」
抱え上げた。
「ちょ、イクティノス!?急に何を!!?」
混乱気味のウッドロウを抱えベッドのほうへ歩いていく。
「終わったら休むと言ったのに動かないのでな」
「そ、それは!今から行こうと…」
「ふ、俺のが速かっただけだ」

ベッドの上にウッドロウを下ろしイクティノスも腰を下ろした。
「ウッドロウ」
「どうした?」
「寝てもいいか?一緒に」
「…ああ」
ベッドは大きいものなので大人が二人入っても余裕の大きさだ。
「どうして急に?いつもは私に言わせるくせに」
少しすねているがあえて気にしない。
今は伝えておきたいことがあるから。
「なんだかお前と離れたくなかったんだ」
「え?」
「最初は休むのを確認したら剣に戻るつもりだったが」
傍にいたくなった。
と呟く。
「っ………」
真っ赤になって照れてしまう。
イクティノスは笑いながら言う。
「好きだよ、ウッドロウ。誰よりも」
はっとして顔を上げれば目の前にはイクティノスの顔。
徐々に近づき唇同士が触れる。
ウッドロウはイクティノスにキスをされていた。
触れるだけの軽いキス。
「………」
突然のことでぼうっとしていたウッドロウが我に返ると
その顔はさらに赤くなった。
イクティノスはそんな様子を見てまた微笑む。
「そんなに、笑わないでくれ!」
「あまりに可愛らしかったのでついな?」
「ついじゃない!」
ウッドロウは俯いてしまう。
さすがに傷付いたかと少し心配になってきたイクティノスが謝ろうとしたとき
「…私も、好き…だ…」
「!」
小さな声だったが確かに聞こえたウッドロウの言葉。
イクティノスはおもいきりウッドロウを抱きしめた。
「く、苦しい…!」
そんな抗議の言葉なんか気にせず強く抱きしめる。

この命続くまでお前を守る
たとえなにがあろうと
この命尽きようとも
俺が

その日ウッドロウはイクティノスに抱きしめられたまま眠った。
朝になり目を覚ますとまだ眠っているイクティノスが横にいた。
いつもはイクティノスのが先に目を覚ましているので寝顔を見ることがなかったが、
たまにはこんな日もいいなと思うウッドロウだった。
イクティノスは幸せそうな寝顔だったという。


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初イクウド
なんじゃこりゃ?よくわからん文…なのはいつものことですが
いつにもましてよくわからん…
書簡の数え方が1つ2つでいいのか不明