付き合い始めてもう何ヶ月も経つというのに・・・

「ここにいたのかい?リオン君」

なぜいまだに君付けなんだ!


『僕の名前を呼んでくれ!』



扉を開けて入ってきたのはウッドロウ。
僕が愛してやまない最愛の人だ。

「なんの用だ?」
「食事の準備ができたそうだから、リオン君を呼んできてくれと言われたのだよ」

まただ。また君付けだ・・・
君付けもいいのだが、少し距離を感じる(ような気がする)
スタンやルーティ達も皆君付けだ。
コングマンとウッドロウのソーディアンであるイクティノスは呼び捨て。
たったそれだけのことで嫉妬心が湧いてくる。

「? 少し機嫌が悪そうだね、なにかあったのかい?」

「それはお前が原因だ!」
と叫びたかったが、言わないでおこうとした。
と思っていたがどうやら声に出てしまったらしい・・・

「私・・・?」
何かしただろうかと真剣に悩んでいる。
「すまない・・・」
悩ませるつもりはなかったんだと続ける。
「私に、なにか不満なことがあるのかい?」
悲しそうな顔をしている。
そんな顔をさせたいわけじゃないんだ。
だから意を決して言ってみる。
「ひとつある」
「それは?」
「名前だ」
「・・・・・・名前?」
「そう名前だ」

気づいてくれるだろうか?
いや、気づかないだろう。筋金入りの天然だから。
「んー・・・なぜ名前なんだい?」

やはり気づかなかったようだ。
少し悲しい・・・

「僕はお前の事をなんと呼んでいる?」
「それは、“ウッドロウ”と」
「では、お前は僕の事をなんと?」
「“リオン君”」
「そう。それだ」
「え?」
「だから、“君”だ。その君付けが気に入らないんだ」
「それだけ?」
「それだけというが、僕は結構寂しかったんだぞ・・・」

そう言うとウッドロウは安心したように笑っていた。
「すまない。そういうことじゃなくて、もっと不満な所を言われると思ってたから」
「君付けのことだけだ。他に不満はない」
そう言ったら、ウッドロウの顔が赤くなっていた。
他に不満はないと言ったら、照れてしまったらしい。

(か、かわいすぎる!!)
なんかムラムラしてきたが、そこは抑える。
名前で呼んでもらえるチャンスだからだ。

「じゃ、じゃあこれからは、呼び捨てでいい・・・んだね?」
「ああ。早速言ってみてくれないか?ウッドロウ」
「! ・・・リ、リオ・・・」
もう一息だ!
「・・・リオン!」

あまりの嬉しさにウッドロウに飛びつきかけたが理性で抑えた。
しかし嬉しさは収まらない。
「なんだ!ウッドロウ!!」
返事にも力が入る。
「いやなんでもない、言ってみただけだ////」
「もっと呼べ!」
「リオン////」
「ウッドロウ!」
「リオン」
「ウッドロウ」
「リオン・・・」
「ウッドロウ・・・」
  ・
  ・
  ・



そうしてしばらく名前を呼び合っていたが、
「お前さんたち、いちゃいちゃタイムのとこ悪いんだが、もう夕飯だぜ」
「「!!!」」
それから二人揃って食堂へ行き、ルーティにこってり絞られた・・・


いつもはそれでイライラが頂点に達するのだが、今日は違う。
「リオン、私は甘いものがあまり得意ではないからプリンあげるよ」
「ウッドロウがそこまで言うなら僕が食べてやらんこともない」

ウッドロウに名前で呼んでもらえたし、プリンももらった(ウッドロウからだぞ!誰にもやらん!!)

今日もとてもいい一日だった。






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ウッドロウに名前を呼び捨ててもらいたかったリオンでした。