「ウッドロウ。
 僕は、お前のことが・・・好きだ」


あの日、君に言われた言葉。
まだ覚えている。
もしあの時私が・・・




『伝えられなかった言葉』





グレバムとの決戦前夜。
リオン君が部屋にやってきた。


「今・・・かまわないか?」
「ああ、大丈夫だよ」
「話が・・・あるんだが・・・」
「何かな?」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・リオン君?」
「・・・・・・・だ」
「え? すまない、もう一度「・・・好きだ!」
「!」
「お前のことが好きだ、ウッドロウ」
「本気で言ってる・・・のかい?」
「ふざけて好きでもない奴にこんなことは言わない。
 ウッドロウ。僕は、お前のことが・・・好きだ」
「・・・・・・・・」
「・・・話はこれだけだ。失礼する・・・」


驚いて声にならなかった。
「好きだ」と言ってくれたことは正直嬉しかった。
多分私はリオン君と同じ気持ちなのだろう。
しかし私はグレバムを倒し、騒動に一息ついたら国を継がなければならないだろう。
それではきっと彼を不幸にしてしまうのではないか。
そんな考えから返事を返すことができなかった。
しかし心のどこかで答えは決まっていた。
ずるずると返事を延ばすよりもきっぱりと伝えようと思ったのだ。
問題はうまく伝えることができるのかということだ。
私はなかなか寝付けないまま朝を迎えたのだった。


下へ朝食をとりに行くと、もうリオン君がいた。
気まずく思っていたが普通に挨拶をされたので、少し気が楽になり朝食を食べようとした。
が、リオン君が口を開いた。


「昨日のことなんだが・・・」
「う! ゲホッ、ゴホッ」
「す、すまない・・・」
「・・・いや、こちらこそ・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・昨日の答えは・・・」


「お、おはようございます!寝坊してすみません!!」


伝えようとしたところでスタン君の大声が響く。
タイミングを逃し言えなくなり、ただぽかんとするばかりだ。


「あ、あれ?なんかお邪魔でしたか?」
「いや、別になんでもないよ・・・」


もう苦笑するしかない。リオン君は苛立ったように部屋へ戻ってしまった。


戻ってきたときにはもう城へ出発する時刻だった。


私達は隠し通路から入り、城へ潜入した。
広間を抜け時計塔へと駆け上っていく。


時計塔の頂上、ひらけたところにグレバムはいた。イクティノスを手にしている。
あの手が父上を、民たちを殺し、イクティノスを奪っていった。
許せない。気がつけば私はグレバムに向かって駆け出していた。
恐怖はリオン君に勇気付けられたときから無くなっていた。がリオン君に止められた。


「落ち着け、ウッドロウ!それでは以前の二の舞になるぞ!」


はっとして我に返った。
そうだ私はもう一人ではないのだ。
皆が、リオン君がいる。あの時とは違う。


「カタをつけるぞ!グレバム!!」







グレバムを倒し、神の眼をダリルシェイドへ持ち帰り、
今後の神の眼の処遇について会議してファンダリアへと戻った。


「結局伝えられなかったな・・・」


つぶやくと横から、


「何を伝えられなかったんですか?ウッドロウ様?」


チェルシーが聞いてきた。
リオン君からの告白の返事とも言えず、なんでもないよと返しておく。


わりと平和に数ヶ月経ったある日
何者かに神の眼を奪われたとセインガルドの王から書状が来た。
急いで向かわなくては!なにか嫌な予感がした。
旅支度をしているとスタン君たちが来た。
どうやら連絡をうけてきたようだ私達は皆と合流しダリルシェイドへ向かった。


神の眼の強奪はどうやら巨大な飛行竜を使ったらしい。
さすがにそこまで耐えうるほどの壁を作ってはいなかったので、壊されて持っていかれたようだ。
だが一番気になることは、飛行竜に乗っていたのがリオン君だということ。
なぜ君がそんなことをするんだ・・・


目撃証言によると飛行竜はオベロン社の秘密工場へ向かったらしい。
私達はいそいで追いかけた。


工場の奥は洞窟へとつながっておりそこにリオン君がいた。


「リオン君!なぜこんなことを!」
「うるさい!さっさと剣を抜け!!」


戦闘が始まる。リオン君は強い、だがこちらは4人。
もとから勝負はついているようなものだ。ほどなくして終わった。


「・・・リオン君。なぜ・・・」
「・・・人質が、いるんだ・・・」
「そうだったのか・・・。リオン君一緒に行こう。そして助け出すんだ」
「! いい、のか? 僕は裏切ったんだぞ・・・?」
「人質をとられていたんだ。仕方がないさ、それに仲間じゃないか」
「仲間・・・」

今ならスタン君たちがいようと伝えられる気がした。


「それに・・・!」


大きな地震が起きた。またしても言えなかった。なぜこうもタイミングが悪いのか・・・
そんなことを言っている場合ではない!早く脱出しなければ!


「あそこに非常用エレベーターがある、皆行け!」


リオン君の声が響く


「リオン君も早く!!」


だがリオン君は来ない。


「何をしてるんだ!はや「誰かがここで操作しなければ上へは行けない」


レバーを下ろす。エレベーターの柵が閉まる。


「リオン!リオーン!!」


スタン君が柵をつかみながら叫んでいる。


呆然としているとリオン君と目が合った。


声を出さずに口を動かしている。


   好きだ ウッドロウ 愛してる


リオン君は微笑んでいる、幸せそうに。


私の頬を何かが伝った。


私は無我夢中でエレベーターから飛び出そうとした。
しかし、ルーティ君やコングマンに止められた。


もう、リオン君は見えない


あれから数日。
人質だったマリアンという女性を助け出し、
オベロン社の幹部たちを倒し、操られていたヒューゴも倒した。
ヒューゴを操り、今回の一連の騒動の黒幕である天上王も倒した。
すべては終わったのだ。
私は今、秘密工場のあったところにいる。
この下に、洞窟があり、リオン君が、眠っている。



『ウッドロウ。
 僕は、お前のことが・・・好きだ』


あの日、君に言われた言葉。
まだ覚えている。
もしあの時私が・・・
君に返事をしていれば
無理矢理にでも連れ出していれば
君は私と共に歩いて行ってくれたかい?
君と同じ道を歩ませてくれたかい?



「やっと、返事ができそうだよ


 長い間待たせてすまない


 私も リオン、君のことを・・・」




 愛しているよ








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ここまで読んでくださった方ありがとうございました(感涙)
ずるずる長くてすいません・・・ほんとはもっと長かったんですよ。出逢い編があったので。
さすがに消しました。はい。
ちなみに、本編ほとんど覚えてませんのでこんな台詞ない!
ってのはご容赦ください。99.9%捏造でできております。
リオンとウッドロウ以外ほとんどしゃべってないのは、
まったく台詞が記憶にないって訳じゃありませんから・・・!ありません・・・か、ら(チーン/死)
※最後、ウッドロウはリオンのことを呼び捨てにしてるんです。打ち間違いじゃあありません。ぶっちゃけ後半が書きたかっただけれす。