『ミクトラン再登場』



「む!」
「どうしたイクティノス?」
「何か不穏な空気を感じます」
「どこからだ、シャル」
「「あそこだ!!」」
「!………?」
「見覚えがある気がするが、気のせいか?」
「気のせいだと思いたかったがな…」

「なぜ私の分はないんだ!!!」

「「「はあ…」」」
「泣くほど寂しかったのか…?」
「哀れな…」

「物陰からこそこそ見られるより、前みたいに目の前に現れてくれたほうがまだましだな…」
「確かに…うっとうしいな」
「ひどいぞ!それに私が前に出ないのはお前が、私に、傷付くようなことを言ったからではないか!!」
「………何か言ったか?」
「ガーン!!!」
「また傷が増えたな」

「いや、ちゃんと覚えている。安心してくれ」
「! な、何を安心するのだ?そもそも私は不安だったとか忘れられて寂しかったとはまったく思っていないしな」
「(こいつ、馬鹿だな…)」
「私は、あの言葉を思い出すだけで、胸が…張り裂けそうに…うぅ…」
「(マジ泣き…ですか…)」
「えぇっと…すまない?」
「謝ることはないぞ、ウッドロウ」
「や、なぜか可哀相になってきて」
「(敵に同情される天上王か…もう王じゃないだろ)」
「聞いてくれ、ミクトラン。私が受け付けないのはお前のことじゃなくて
 ただ高いところが苦手というだけであって…」
「本当か!!!」
「(ビクッ)あ、ああ…」
「それはすまないことをした。次は飛行竜を持って」
「来なくていい!!!」(←リオンです)

「まったく騒がしい奴だ!」
「落ち着いて」
「落ち着いていられるか!!」
「とりあえず落ち着いたらどうだ?」
「誰のせいだと思ってる!!!」
「…誰のせいだ?」
「貴様だ!この糞天上王!!」
「な!く、糞だと!!この高貴なる天上王に向かってなめた口を…!」
「何が高貴だ。阿呆馬鹿脳味噌空洞天上王!!」
「ぬおぅ!貴様、漢字を10文字以上並べるとは卑怯な…!」
「たったの12文字だ!」
「話が…それてるぞ、リオン」
「はっ!…いいからさっさと帰れ!!」
「ああ、帰ってやるさ!
 貴様のような不躾な奴のいない平和な天上界へな」
「やっと帰るのか…」
「ただし…」
「わっ!ま、また…」
「ウッドロウはいただいていく!」
「!貴様…!」
「はーっはっはっは!!!」
「…お、下ろしてくれ…ぅぷ」

「おい!そこの坊ちゃん!!」
「い、イクティノス?!」
「ちょ、イクティノス!坊ちゃんに対してなんて口を…!」
「ウッドロウを何処へやった!」
「…上空に誘拐されてるぞ…」
「何!誘拐だと!!
 ウッドロウを攫った犯人必ず見付け出してみせる!イザーク王の名にかけて!!」
「…いや、だからあそこに浮いてるんだって…」
「浮いてる?一体どんなトリックを…」
「…あやつ意外と馬鹿なのだな…」
「…ぅ、イクティノス…(泣)」

「イクティノスかなり変になっちゃってるけど、大丈夫なのか?ディムロス」
「あいつは動揺などがピークに達するとああして壊れるのだ」
「騒いでる間にストーンウォールとかウインドアローでミクトランに掠るぐらいの晶術使えばいいのにな」
「そうだな…」
「ていうか俺たちで助けちゃおうか」
「確かにそのほうが手っ取り早いな」
「ウッドロウさんの俺に対する株を上げるチャンス!」
「それが狙いか…」

「よし!行くぞ、ディムロス!!」
「うむ」
「「ファイヤーボール」」
「何? ぐおっ!!」
「え?(お、落ちてる!!!…そうか私はここで死ぬのか…)」
「ウッドロウさん!」
「………」
「しっかりしてください、ウッドロウさん!!」
「ん…ぅ…スタン君?」
「はい。大丈夫ですか?どこも怪我してないですか?」
「ああ。大丈夫だよ。君が助けてくれたんだね、ありがとう」
「いえ、いいんです。気にしないで下さい」
「「ウッドロウ!!」」
「大丈夫ですか?」
「リオン、イクティノス…シャルティエ君まで。私は大丈夫だよ、ありがとう」
「僕はなにもしていない…」
「俺もだ…何か変なことを叫んでいたせいで…」
「それは…まあ、仕方ないよ。イクティノス…」
「皆のせいじゃないよ。私が簡単に背後を取られるからいけないんだ。だから気にしないでくれ」
「僕は…不甲斐ない…な」
「ウッドロウさんは休んでてください。後は俺たちがやりますから。ディムロス、ちょっと」
「何だ?」
「ウッドロウさん看ててくれ」
「わかった」
「すまない、ディムロス君…」
「気にするな。それに、面倒を看るのは慣れている」
「そうか、ありがとう。では少し、休ませて…もら…」
「眠ったようだな。よっぽど苦手なのだな、空中が」
「かわいい〜v よし!じゃあエネルギーも充電できたし!」
「貴様を血祭りにしてやる!!」
「お前みたいな馬鹿が触ると、ウッドロウにうつる!」
「あれ?何これ?いじめ?いじめよくないよ〜、いじめかっこ悪い!」
「五月蝿い!!」
「問答無用!」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……」

「調子乗ってスイマセンでした…」
「じゃあさっさと帰れよ。一応ラスボスなんだし」
「はい…失礼します…」

「…やっと終わったか…」
「やれやれだね…」